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Webデザイナーのスランプ&打開策

久しぶりの更新になってしまいました!
最近は大変ありがたいことに、たくさんお仕事を頂いていて、忙しい生活を送っています。

こんなタイミングだからこそ振り返れることもあったりして、特にクリエイターとしての「スランプ」という時期はまさにその状態にいるときには公表しづらかったりもするので、今この記事を書いてみようと思いました。

そもそもスランプってなんだろう

私の体感的な分類になってしまいますが、今回記事で取り上げる「デザイナーとして陥りやすいスランプ」は2種類あります。

①アイディア的なスランプ
②精神的なスランプ

それぞれを詳しく掘り下げていきましょう。

アイディア的なスランプについて

デザイナーさんなら共感頂けるのではないかと思いますが、同時にいくつかのデザイン業務を行っていると、たまに「アイディア」不足に陥ることがあります。
「なんかちがう~」みたいな。

同時進行の案件が少なければ少ないほど1つの案件に専念できるため、このような状態に陥ることは少ないのかなと思いますが。

一般の人とデザイナーとの違いは「センスの有無」だと思われがちですが、実際のところデザイナーの持つ「引き出し」はインプットの賜物です。
「どれだけ多くのデザインを見て、それらの要素を分解し、組み合わせられるか」という能力が求められる仕事が”デザイナー”といっても差し支えないかと思います。

なので、インプットしていないとデザイナーの引き出しに蓄積されている「デザイン」はその分古くなってしまいます。
あるいは引き出しに蓄積されている知識の数が増えないままなので、少ない情報の中から掛け算することになり、結果的にそこから広がるアイディアも限られてしまう…といった状況が私の考える「アイディア的なスランプ」の状態です。

最近勉強を始めた方や、初心者デザイナーさんも陥ることの多いスランプではないかと思います。

アイディア的なスランプの打開策

①インプットする
②デザインの分析の精度を挙げる
③アウトプットする

が実体験として効果的でした。
「何をそんな当たり前のことを!」と怒られそうですが、意外と意識しないとできないことだったりします。

というか、当たり前すぎて出来ていないことに気が付きにくいことだったりもします。
私自身「なんか最近調子悪いな~なんでかな~…」「あっ!!!インプット少なくない!?」みたいなことがよくあるので…。

スランプに陥っているときって自分では「やっているつもり」なんですよね。でも出来ていなかったりする。
「デザイナーとして当たり前」のことだからこそ、時々立ち止まって「できているかな?忘れていないかな?」と意識していく必要があるのかなと思います。

①インプットする

この業界では取り扱うデザインのジャンルの幅がとにかく広いので、何かを新しく作るときは「参考サイト」「参考デザイン」を探すのは一般的です。
ただ、自分が今携わっている案件以外のジャンルのインプットはできているでしょうか?
自分が「好き」「格好いい」と思ったデザインの情報だけ収集していないでしょうか?

「特化型デザイナー」という売り出し方もあると思うので一概にはいえないかもしれませんが、より広いジャンルを手掛けられるデザイナーを目指すのであれば引き出しが多いに越したことはありません。
なので、アイディアが枯渇したときほど、選り好みせずに「様々なデザイン表現」に触れられるサイトで情報収集するのが良いかと思います。

たとえば有名どころだと「Pinterest」はバナーデザイン、Webデザイン、ロゴデザイン…とにかくなんでも出てくるので流し見するのにはおすすめです。

あとは「Adobe Color」も個人的にはおすすめです。普通の使い方をするのであれば配色の組み合わせに使うのが定番ですが、「トレンド」カラーからの逆引きができるので、提案される色の組み合わせのクリエイティブが見られます。

また、私は趣味でコラージュを始めたのもあって最近写真素材サイトもよく見るのですが、「Pixaboy」も結構見ます。
あくまで写真素材サイトなのでデザインのテクニック的な知識を得られることは少ないですが、優れた写真素材から配色や構成のアイディアを得ることもあります。

参考サイトは「Webデザイン 参考サイト」等でググると今はデザインギャラリー的なサイトがいっぱい出てくるので、機能面でのお好みに合わせていろんなサイトを見てみて下さい。

②デザインの分析の精度を挙げる

これは①の一歩先の段階というと少し分かりやすいかと思いますが、「良い」「優れている」と思ったデザインをよーく観察してみてください。
そのデザインを「良い」と感じた理由が必ずあるはずです。
その「理由」を言語化し説明できるレベルまで分析しましょう。

余白が大きいのか少ないのか。色数は多いのか少ないのか。どんな配色か。
写真を使っているのか、イラストを使っているのか。フォントは何を使っているか。
あしらいは?レイアウトは?自分が「良い」と感じたのはどの部分?

ここまで分析できてくると、おのずと制作意図も推察することができるようになってきます。
「どうしてそのフォントにしたのか」「ターゲットは誰なのか」「このクリエイティブのゴールはどこなのか」ここまで掘り下げられれば、かなり上質なインプットになっていると思います。

どうでしょうか。普段からここまで分析できている人は意外と少ないのではないでしょうか。
慣れてくると街を歩いていてふと目にするデザインもここまで考えたりするのですが(完全に職業病です。そして疲れてくるところまでがワンセット)意識しないとここまでは考えないですよね。

個人的には、最初は意識して「テキスト」化することをおすすめします。

頭の中で出来るレベルになれば、たぶんもう病気なので(えっ)
街中でひとり勝手にデザインレビューを始めてしまうと思います。そういう症状が出ているはずです(???)

でも初めのうちはどうしてもそこまでの解像度では見れず、「良いな~」で素通りしてしまうんですよね。なので、ぜひぜひ文章にしてみましょう!

③アウトプットする

もうお分かりかと思いますが、②でせっかく文章にしたのなら、それを発信してみましょう
ブログでもTwwitterでも媒体はなんでもいいんです。せっかくなら反応の多い媒体を選んだほうがモチベーションには良いと思いますが、あくまでそれは「手段」でしかないので、このあたりはお好みで何でもいいと思います。

時間がなかったり面倒だったら、最悪②の手順はすっ飛ばしてPinterestでいいなと思った画像を保存するとか、別のSNSで「共有」するだけでもいいと思います。
自分が「インプットした」という記録を蓄積するだけでも違うと思います。それを見た誰かにも影響を与えるかもしれませんし。

でも、欲を言えばやっぱり「手を動かす」ことが一番です。
「文章にまとめる」「デザインを模写する」そしてそれを「発信する」。
これだけでレベルは格段に違います。効率という意味では「かける時間が多ければ多いほどいい」とは言えませんが、そうだとしてもその時間は絶対に成長に繋がります。

何かを始めればただ揶揄するだけの人、「必死だね~」なんて煽ってくる人も中にはいると思います。そういう人の目が気になってなかなか踏み切れないこともあるかと思います。
でも考えてみてください。努力している人は他人の努力にケチつけてる暇なんかありません。だから気にしなくてOKです。

発信する情報の取り扱いや著作権などには十分注意する必要がありますが、「私みたいな大したことない人間が偉そうに発信していいのかな~」みたいな遠慮はせず、どんどんアウトプットしましょう。
採用や案件獲得の観点でみても、やはりデザイナーは「実績」による評価が大きいので、何の成果もない人と積極的にアウトプット活動している人なら後者の方が有利です。
どんどん作って発信しちゃいましょう。

精神的なスランプ

少し戻って、もう一つのスランプについて考えていきます。

こちらは、何か一つの原因ではなく、置かれている環境やその時の精神的な状態で「純粋にデザインに目を向けられていない状況」を「精神的なスランプ」としてお話しています。
「なんかもうデザインに自信持てない」みたいな。

アイディア的なスランプが「なんかデザインが違う」みたいな違和感だとすると、こちらは「そもそもデザインってなに?」「デザインってなんだっけ?」みたいな(笑)

そもそもの根幹から怪しくなってくるとき、あると思うんです。私だけじゃないはず…。
考えすぎてしまって逆に「なんでデザインしてるんだっけ」みたいな気持ちになること、ないですか?(一回くらいみんな通る道のはず…?)

私が繊細で頭でっかちなだけかもしれないですが、案件のデザインにおける「最善」やチームの目指す姿などを考えていくうちに「デザイン以外のこと」ばかり考えてしまう状態になります。

そしてそういう状態のときって、大抵良いデザインはできません。なんかもう、それどころじゃないんですよね。当然です。
その「生み出せない」という状況にまた一層苦しんで心病んでしまう方がこのタイプのスランプかなと。

このスランプに陥る方の特徴として、

・繊細な感覚を持っている
・人の気持ちを考えられる(考えすぎる)
・物事をよく観察し深く考え込む(考えすぎる)
・完璧主義的な傾向
・自分に課す理想が高い

人が多いのではないかなと思います。
なんだか自己紹介みたいになってますが、このタイプのデザイナーさん私以外にも結構見るので「恐らく一定の割合でよくいるタイプ」だと勝手に思ってます。

デザイナーという業種を選んでいるだけあってこの業界の方、特にデザイナーさんは「何かを作る」ことが好きな方が多いですよね。
それゆえ「業務によって忙殺されている」だとか「アイディア的なスランプ」その他「デザインに集中できていない状況」で何もアウトプットできていない時に生じる「焦り」がこちらのスランプの原因ではないかと思います。

そして厄介なのが、このスランプに陥っているときって、いいクリエイティブを素直に「良い」と思えなかったりします
人のアウトプットを見て焦ってしまったり、嫉妬してしまったり、才能を妬んだり…心にグレースケールのフィルターがかかっている状態とでもいいましょうか。

もっと厄介なのが、物事を深く考えられる人ほどそういった状況に陥っているときでも割と客観的に自分を見れているんですよね。
だから「そんな皮肉的な見方をする自分」にすら嫌悪感を覚えて…まぁ~気分が落ちる落ちる。

そんな闇のクリエイターになってしまった時にどうスランプを抜け出すか。
実体験から有効だった方法を次の項でまとめています。

精神的なスランプの打開策

①とりあえず休む
②視野を広げる
③自主制作をしてみる

これに尽きると思います。
ここで焦ってアウトプットすると、完璧主義的な傾向のある人ほど余計に自分を追い込んで疲れてしまうと思います。

①とりあえず休む

このタイプの人はきっと頑張り屋さんが多いと思うんです。
休みましょう。心が疲れているんです。美味しいもの食べてゆっくり寝て好きなもの見る。いいものをつくるのだって体が資本です。

あと、一旦情報を遮断しましょう。自分が休んでいる間に誰かが頑張っているのを見るときっと焦ってしまいます。でもあなたはあなたのペースでいいんです
人と比べるのは、心に余裕がある時だけで大丈夫です。

まずは休みましょう。仕事とデザインのことしか考えられないような状態は、その時は幸せかもしれませんが完全にワーカホリックです。
人としての健康的な生活を取り戻しましょう。

②視野を広げる

十分休んだら、たぶん心に少し余裕が出てくると思います。
そうすると心の許容度もぐっと広がっているはずです。
このタイミングで、スランプの時期の自分を振り返ってみたり、今後の展望を整理してみるなどして「視野を広げて」みましょう。

ここでポイントなのが、虫眼鏡のように1点の解像度を高める視点ではなく、ブレインストーミングやトップダウンのような「広い視点から眺める柔軟な思考」を大切にしてみて下さい。
「アイディア的なスランプ」の時は「なぜ?」という解像度をより高めて分析しましたが、ここでは分析ではなく「いろんな視点を持つこと」が重要です。

あまり自由な発想が出来ていないと感じたら、①の手順に戻ってみてもいいと思います。
自分に対しても他人に対しても「否定」ではなく「肯定」や「受容」の気持ちで向き合ってみてください。

③自主制作をしてみる

心に幾分か余裕が出たところで、「何か作りたい」「何かやりたい」という気持ちになっているのではないでしょうか。
あるいは②の手順で思い描いた「展望」としてやるべきことなどが見えてきているかもしれません。

その気持ちでお仕事に向き合える状態まで復活していれば何よりですが、まだ一歩足りない!といった場合に特にこの方法がおすすめです。

仕事での制作物はどうしても何らかの条件や制約のあるデザインなので、自由な発想を活かすというよりは、「与えられた条件の元でどれだけ目的を達成させられるか?」といった側面が大きいかと思います。
なので、「誰かのため」のデザインではなく「自分のため」にデザインしてみることをお勧めします。
「自分が作りたいもの」「良いと思ったあしらい」「尊敬する人のクリエイティブの模写」なんでもいいんです!

「”好き”なものを作る」時間を持つことで、義務や制約から逃れてとことん自分の感性と向き合うことができると思います。
また、その作品をアウトプットすればきっと何らかの反応を得られるはずです。
そのFBを元に、本業に活かすもよし、趣味としての活動の糧にするもよし、いずれにしても損をすることは絶対にないはずです。

「勉強」「インプット」と考えると気も腰も重くなりますが、「好き」を軸にするとそのストレスもありません。
無理のない範囲で「好き」を突き詰めるのも立派な勉強になります。

私の話にはなりますが、Photoshopを「先輩に負けて悔しい」「もっと上の人に追いつきたい」「他の人に負けたくない」と思って半ば執心し勉強しているうちは正直あまり身になりませんでした
でもそういったしがらみを捨てて「これ作りたいな~」「これを作るにはどうしたらいいかな?」と「好きなこと」として集中してからは自然と「分析する目」も「技術的な知識」も身につくのが早かったです。
やっぱりデザイナーも人ですから「好き」の持つエネルギーは大きいと思います。

「どうして自分はデザイナーを目指したんだろう」「どうして自分はデザインしているんだろう」と疑問に思い立ち止まってしまったときは、ぜひ「好き」を思い出してください。
どのような経緯でデザイナーになったとしても、人によって想いの強さは違えど、必ず「デザインが好き」という思いがどこかにあるはず

Webデザイナーに「ゴール」なんかない

「Webデザイナー」ってはたから見ると華やかそうに見えるらしいですが、当事者としては悩んじゃう時もいやになるときもありますよね。

「もう二度とCSSなんか見たくない」「Webなんかやめてやる!」「どうせ私には向いてないんだ!」って何回思ったことでしょう。両手でも数えきれないくらい私は思いました。
(特にCSSは少なく見積もっても100万回はやめてやろうって思いました。最近はPHP触っていると叫びだしたくなります。)

でもそのスランプを抜ける度、新たな発見がありました。
ならずに済むのなら「スランプ」には陥りたくないですけれど、見方を変えれば、立ちはだかる壁があるからこそそれを乗り越えようと努力できるのではないかと思います。

「なんか調子悪い!」そういう時は一回肩の力を抜いて、凝り固まった頭をほぐしてみましょう。
「はーこんな仕事もうやめてやる!」で辞めてみても、なんだかんだ戻ってきてしまうものです。悔しいけどこの仕事が「好き」なんだなぁって思います

私はWebデザイナーに「完成」や「ゴール」はないと思っていて、一生新しいことを吸収し進化し続けられる楽しみがこの職業の醍醐味だと思っています。
年齢も実力もみんなバラバラのスタートですから、焦らず「自分のペース」で歩み続けられるのが何より大事。
立ち止まってしまっても、また歩き出せばいいんです。歩くのをやめさえしなければ、絶対に何かしらの結果は得られます。

長くなってしまいましたが、この記事が、同じような境遇で疲れてしまっている誰かの心に届いたら嬉しいです。
ゴールはないと書きましたが、『うさぎとかめ』のように長い目で歩んでいきましょ。