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「何目指してるの?」への私なりの答え

最近、いろんな方からよく頂く質問に「結局最終的に何をするつもりなの?」「何になりたいの?」「どこ目指してるの?」といった質問が多いため、自分の思考の整理も兼ねて本記事を書くことにしました。

なぜこのような質問をされるか

そもそも何故このような質問を頻繁に頂くかを考えた際に、真っ先に思い当たるのは私のスキルセットの幅の広さが大きな理由ではないかと思っています。

一般的にWEB業界は分業制で、大きく分けると「ディレクター」「デザイナー」「コーダー」の3つの役割の人たちが集まって一つのプロダクトを作る方式を取っている会社が多いです。

「ディレクター」は主に制作スケジュールの管理や進行、ヒアリングなど、お客様と制作陣の間に立って調整を担う役割を果たします。
「デザイナー」はディレクターがヒアリングした要件に合わせてホームページの「見た目」の体裁のルール決めをし、実際に作るホームページの「設計図」となるものを作成します。
「コーダー」はデザイナーが作った設計図の通りの見た目になるように、マークアップやプログラムを行い、実用的な機能を形にします。

WEB系の制作会社に所属した際、大抵はこのいずれかの役割から一つを選び、その業務に専門的に従事することとなります。
(そのため、役割をそのまま肩書として呼称することが多いです。)

ただ、私の場合は転職や副業経験があることや興味範囲が広いことから「ディレクター」「コーダー」「デザイナー」のいずれの業務経験もあり、よく言えば「広く浅くどの業務もそれなりにこなせ」て、悪く言えば「何一つ極めていない器用貧乏」というスキルの立ち位置です。

WEB業界の文化的には分業が通例となっているため、「どれもこれも手を付けている=結局本命はどれなの?」という疑問に繋がるのかなと思います。

器用貧乏は「何者でもない」

器用貧乏=オールラウンダーではない

「どれもこれも手を付けている」と書くと一見すごい人っぽいんですが、一つに費やすはずのエネルギーやコストを多方面に割いていることになるため実は全然すごくないんですよね。
『一つのジャンルをある程度まで身に着ける要領の良さ』みたいなものはあるかもしれませんが、裏を返すと『一つのジャンルにそれほどエネルギーを費やし続けられない』ことになります。要するに飽きっぽい。

なんでもそれなりにできたとしても、「それなり」止まりになりがちです。
「(なんでもそれなりに)全部できる人」は、結局のところただの「器用貧乏」です。

器用貧乏の欠点

器用貧乏として自覚している傾向の一つに『一つのジャンルにエネルギーを全振りできない』ことから『ある程度の結果で満足してしまいがち』というものがあります。
私はどちらかと言えば「120点出すまで頑張る粘り強さ」よりは「80点出すまでのスピード」が長所なので、80点取れた時点でそのジャンルは「結果が出た」ことになり興味範囲から外れやすいです。
となるとやはり何かを「極める」ことには向いておらず、一つのジャンルを極めるプロフェッショナルタイプの人とはそもそも性質が異なっています。

「〇〇の誰々」

何か一つを極めることは、様々な視点から見て有利です。

たとえば、お仕事を依頼する際に「あれとこれとそれをやってきました」という人よりは「これ一つで〇十年!」というプロの方が経歴だけなら信頼が置けると判断する人が多いのではないでしょうか。
実際に人は選択肢が多すぎると購買や選択の意欲が減退してしまうというデータがあるそうで、「あれとこれとそれがあります」よりは「これ一つ選んでおけば間違いない」といった訴求の方が刺さりやすいようです。

「一つを極めたプロフェッショナル」という肩書は、それだけで「その分野のパイオニア」としての価値をアピールしやすいのです。
最近はSNSも盛んで「インフルエンサー」という職業もあるくらい、なにかの肩書を持つ「何者かになる」こと=「〇〇の誰々」に憧れを抱く人が多いように思います。

「特別な存在」として価値をアピールする一つの手段として「肩書」を用いるのは理にかなっているのだと思います。

「何者か」になる必要があるか

一方、器用貧乏はというと、これ一つという必殺の武器(肩書)があるわけではないため、それによって「〇〇の誰々」になることは難しいと思います。
「〇〇の誰々」であることを「何者かになる」ことだとするなら、器用貧乏が「何者か」を目指すのは一つを極めたプロが「何者か」になることよりもハードルが高くなります。

実際、そういった懸念を含んだアドバイスを頂くことも多々あります。
「この分野の専門家になりたいならこうすべき」 だとか「〇〇で成功したいならこうした方がいい」など。
恐らくこういったアドバイスは「そのままの努力や目標設定では「何者か」の域に到達できない」ことを心配して下さっているのだと思います。

冒頭で触れた質問にも、こういった意図が含まれているケースが多いです。
「何になるか」=「何で有名になるか」みたいな。

しかしそもそも、何かを志した際に必ずしも「何者か」になる必要があるのか、というところに私は疑問を抱いています。
そうなりたい人がそれを目指すのは自由だと思いますが、全員が「何者か」である必要があるのでしょうか。
私は「何者かになる」ことが目的になった時点で、到達できる結果はそれ止まりなのではないかと思うのです。(これは少々乱暴な詭弁かもしれませんが…)

スティーブ・ジョブズは「Apple社のCEO」という”有名人”になりたくてApple社を設立したわけではないはずです。彼の生んだプロダクトが、結果が、彼を「あの有名なApple社のCEO」という名のある人にしたのではないでしょうか。

正直なところ私は「何者かになりたい」という思いはありません。例えば何かを極めた結果として「〇〇の誰々」となることは光栄だと思いますが、「〇〇の誰々」になるのが最も重要な目的ではないです。

私が今のところ成したいことは、たとえ「名無しの器用貧乏」のままでも叶うからです。私の名前が広く知れ渡ることや、それによって社会的地位を得て尊敬されることは、副産物にはなり得ても目指すべき”本質”ではありません。

A.私は「何か」になることを目指してません。

私は「ディレクター」「デザイナー」「コーダー」のいずれかになることが目的ではないので、「何目指してるの?」という質問への答えとしては「何も目指していない」が(現時点での)ファイナルアンサーです。

結局何を目指しているか

私が目指すのは「お客様の問題解決・目標達成に役立つこと」です。
デザインでお困りならデザイナーとして、密にコミュニケーションを取りながら制作を進めることを求められればディレクターとして、その手段(肩書)は問いません。
その問題解決の過程で自らのスキルが足りないのであれば都度補い、知識が不足していれば新たなジャンルでも積極的に学びたいと思っています。

とても都合の良い答えだとは思いますが、私としては「お客様の目的が叶う」という結果を求めるのであれば、それを叶える”手段”として働く人間が何者であっても良いのではないかと考えています。
信頼されるという過程において肩書が必要であれば都度名乗る必要はありますが、「ディレクター」だから、「デザイナー」だから必ずしもその分野に特化しているわけではありません。
結果的にお客様を満足させられるなら「私が何者であるか?」「何という肩書を名乗るか?」は些末なことです。

「デザイナー」はデザインのことしか知らなくて良いか?

私が肩書にこだわらないもう一つの理由が、「ディレクター」だから技術的な事は分かりません 、「デザイナー」だからデザインしかしません…といった甘えを自分に許したくないという思いもあります 。

コーダーなら工程としては末端に位置する実装技術のことしか知らなくてよいのでしょうか?
ディレクターなら技術的なことは学ばなくてよいのでしょうか?

自分の専門分野の理解さえ深めていれば「専門外のことは分かりません」というスタンスが本当に良いものを作れるのか、私は疑問に思います。
勿論、チーム体制であれば自分の他に専門的な人間がいるのでそれでも制作は成立しますが、「自分のやっている作業以外はよく分からない」人が寄り集まったところで制作は工程毎に断片的な作業が発生するだけではないでしょうか。

チーム体制で制作するにあたり、私は自分の作業が全体の流れの中でどういった働きをし、次の工程でどのように作用するかを理解した上で制作したいと思っています。そして、それを理解できたうえで初めて、チームにとって効果的な働きができるのではないかと考えています。与えられた役割だけをこなす「作業員」に甘んじるつもりはありません。

なので、現時点で私は肩書や役割を固定化したくないです。「デザイナー」という職業でいることが目的ではありませんし、たとえ「デザイナー」だとしてもコーディングに理解あるデザイナーの方が良いでしょう。お客様の要望に沿う提案のできるデザイナーならもっと良いでしょう。自らロールを固定して、出来ること・すべきことを制限したくないのです。

とはいえ肩書は必要になるので…

現状「WEBデザイナー」としてお仕事を頂いていますが、時にディレクターとして、時にデザイナーとして、時にコーダーとして活動する「WEB(ときどきDTP)の問題解決屋さん」のように認識頂けると齟齬が少ないかと思われます。

お客様の抱えるお悩みにWEB(やDTP)というアプローチを提案する人です。

「これ一つ」と明示していないためお仕事が振りにくいところもあるかとは思いますが、お悩みのことがあればご相談・お見積もりだけでも承りますので、お気軽にお声がけください。